くろやんの日記

思考・映画・ごはん・旅・自転車・読書・ライフハックのメモ帳ーPersistence makes me.

ハンドメイドの炎上から考える、交渉の鉄則・伝統工芸品の価値・客の品格

 

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最近「ヒルナンデス」のハンドメイド制作コーナーが話題になっていますね。

news.biglobe.ne.jp

どんなコーナーなのか、ざっくりかいつまむとこんな感じ。

・芸能人が成功しているハンドメイド作家さんに習って創作する

・ネットで名前を伏せて販売

・売れたかどうか、番組内で発表!(無事売れていれば成功!)

 

特別、悪意無くこの番組を見ていると、

・わーあれってこんなに手軽に出来ちゃうんだー

・案外ネットで売れるもんなんだー

というような感想を持つと思います。実際私も見た時「結構手軽に出来るもんなんだなー。今度のお休みの日に自分でも作ってみようかなー」くらいの感想を持ちました。

 

ただ、現在ネットでこの番組はかなり炎上しております。

その理由は、

・(番組を見て)原価がかなり安いことを知った人が、作家さんに執拗に値下げ交渉をするようになった

・(番組では)かなり安くできることを主張する場面が多く、作家さんが思うような表現を行えるよう技術を身につけた時間や材料探しなどの手間を省いて放映している為、すぐにできるもの、と勘違いした人がぼったくり!と作家さんを攻撃するようになった

等々、被害が出始めていることからのようです。

 

最初に思ったこと「値下げはお互いにwin-winに、という裏鉄則を忘れてはいけない」

値下げ交渉事体は悪いことではないと思います。私も海外旅行で市場で買い物をするときは必ず値段交渉しますし。(むしろ言い値で買っていると確実にボられる笑)

きちんとしたお店ではしませんが、家電量販店では例外としてライバル会社のチラシの価格を持って行って交渉したり、複数おまとめ買いをすることを提案してポイントを付けてもらったりする交渉をしたりします。

けれどもこれは「お互いにwin-winになる」という裏鉄則を守ってこそかな、と強く思います。

例えば「おまとめ買い」まとめて買う分、買う側は代金が大きくなって負担がありますが、お店側としては在庫が早くはけて嬉しい提案であることが多々あります。(客単価も上がるし)

(このおまとめ買いで安さを提案しているのが、いわゆる箱買いだったり、靴下の三足まとめ買いだったりするわけですよね)

じゃあまとめて買うから値下げしろよ、という交渉をできるかというと、一点一点時間のかかる、ともすれば伝統工芸品のようなポジションのハンドメイド品によっては、それはまた難しい問題ですが、相当大量の購入(というかもはや仕入れ)をもちかけて、しかもそれが定期的に今後も購入する、とか。かつそれを相手も望んでいる、とか。とにかく相手にも得の見える提案だったら、相手も承諾するかもしれません。

ネットで見られる炎上案件のほとんどが、交渉が一方的なものばかりで、そりゃ作家さん怒るよ!(というか怒って!)って思います。

みんな一回、ボードゲームモノポリーとかやった方がいい。

 

次に思ったこと「ハンドメイドは機械の大量生産ではなく人が一つずつ作ってることを忘れてはいけない」

上でも触れたのですが、ハンドメイドは機械やコンベアーの流れ作業で大量生産されたものではなく、ともすればガラス細工とか江戸切り子とかこけしとか、そういう伝統工芸品と同じように一人の人が手作業でじっくり作り上げたもの。

昔出会った、江戸切り子の職人さんがこんなことをおっしゃっていました。

「伝統工芸品の価値は、最初は分からないかもしれない。けど、どの工芸品にも共通して言えるのは、時間がかかる物程高いということ。時間がかかるのは、技術がないと仕上げられないもの(模様が複雑な物)と大きいもの。大きい物はすぐに分かる。技術があるかどうかはその工芸品を勉強して少しずつ分かってください」

 

ハンドメイドを買いたたく人を見て思ったことは、

「絶対この人、作ったことないでしょ」

ということ。それを一度でも自分で作ったことがあれば、材料集めとかは大変なのはもちろん。技術も、そこそこ器用でないとあんなにうまく作れないって分かる訳です。作ったことがなくても、それがどうやって作られているのか、制作工程をみて、さらに自分にも作れそうか自己理解ができていれば、作品の価値の理解ができると思います。

(それでもそれくらい簡単じゃん、値下げしてよって思う人は、自分で作れよって思います)

それでもなおかつ伝統工芸品、ハンドメイド品の値下げができるのは、そのものの価値を理解して、相手にも得のある提案をできるプロの人だけなんじゃないかなーと思います。

(もちろんそういう交渉の勉強には場数を踏むことが大事ですが、幼稚園や保育園のままごとでも、もっと対等な提案する子が多いんじゃないか、と思うくらい、提案がみんな雑すぎる。。)

 

最後に思ったこと「よりよい客に成長することは自分の得になる」

 これはハンドメイドに限らずですが、最近のいろんなニュースを聞いていると、よい客になろう、よい客であろう、とする人って少ないのかなーなんて感じています。

例えば居酒屋で店員さんに横柄な態度を取る人。コンビニの店員さんにずっとクレームばかりつける人。家電量販店で納得がいかず怒鳴っている人。

もちろん店側が、金取るくせになんだよそのサービス!という態度の店もないわけではないですが、店側がそういう態度だったとき程、客側としては有利になっていて切れるカードがたくさんあったりするわけです。

また、よい顧客としてお得意様としての信用貯金を積み重ねることによって、プラスのサービスを受けることができることもあります。

 

  

正直申しますと、私はあの番組のあのコーナーが好きだったりします。

ああーあれってあんな風に作るのかー!というのがよくまとまっていて、導入としては本当に分かりやすいし、ホントだったら作り方を自分で調べるところから始めなければ行けないと思いますが、いざ作り方を調べようとしても、丁寧に分かりやすいなーって思えるサイトを見つけるのって結構大変です。

まとめサイトばっかりで、分かりやすいのが埋もれているのでしょうかね)

あれって実際に男性の方も含めて芸能人の方が手を動かしている様子をみて、「あれは面白そうだからやってみたいなー」と思ったり、「あんなのも作れるのかー」と自分では作ろうとさえ思ったこともなかったものを作ってみたい欲求が生まれたり。

あの番組そのものに、安く買いたたこうとする人を助長しようぜ、という悪意を正面からは感じないし、むしろ、結構気軽にできるよってところをアピールして、参入者を増やし、市場を盛り上げようとしてくれたんじゃないかな、とも思う訳です。

変に作家さんを追いつめる人のためにあのコーナーがなくならないといいなー。と思ったりします。

 

将来自分の子ども、孫にも、「交渉の鉄則・伝統工芸品の価値・客の品格」はよーくいい聞かせたいことの一つだなー。と思いながら、この炎上がどんなところに落ち着くのか、興味深く見守りたいなと思います。

おやすみなさい。