「コロナ禍」が板についてきてしまったような気がする最近。時代の変化を大きく感じつつ、この1年間の中で、コロナ禍だからこそ読んでみて面白かったなあ、と思った本をリストにしてみました。
- (1)『ペスト』(カミュ)
- (2)『私たちはどこにいるのか』(ジョルジョ・アガンベン)
- (3)『監獄の誕生』(ミシェル・フーコー)
- (4)一九八四年(ジョージ・オーウェル)
- (5)鹿の王シリーズ(上橋菜穂子)
(1)『ペスト』(カミュ)
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書店でも山積みになっていましたね。ちょうど昨年の今頃に読みました。感染症という事象下において、何が敵なのか、何と私たちは戦っているのか、ということについて考えさせられました。必ずしも病自体が敵ではないこと、人の感情の起伏。まさに今、闘いのバトンを渡された!という気持ちになるようなラスト。
一年経ってみて今度はどんな読み方になるのか、また読み直してみようかな。
(2)『私たちはどこにいるのか』(ジョルジョ・アガンベン)
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今年の2月頃に出た本。まだ新しい。イタリアの哲学者アガンベンによる手記。短く、鋭い言葉の集合が、まだ生々しく感じます。ドキッと、ぐさっと、刺さる哲学者からの問いは、ずっと昔から続く問いを21世紀版に翻訳してもらった感じの問い。
(3)『監獄の誕生』(ミシェル・フーコー)
![監獄の誕生〈新装版〉 監視と処罰 [ ミシェル・フーコー ] 監獄の誕生〈新装版〉 監視と処罰 [ ミシェル・フーコー ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/7090/9784105067090.jpg?_ex=128x128)
監獄の誕生〈新装版〉 監視と処罰 [ ミシェル・フーコー ]
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古典ですが、こちらちょうど昨年4月に新装版が出ています。まさしく新しい「監獄」のスタートと同時に出た新装版。自分が何に縛られているのか、ということを客観的に見直すきっかけをいただきました。
そういえば、有名なパノプティコン話を読んでて思ったんですが、zoomで話者だけが画面on、リスナーが画面オフって完全にパノプティコンですよね。先生(教授達)が、「画面オンにしてください!」って言いたいのは、監視されているような感覚になりたくないという気持ちの表出なのかも?
(4)一九八四年(ジョージ・オーウェル)
監視社会と言えば!と思い出したのと、あらすじは知っているけどちゃんと読んだことない!と思って読みました。ビックブラザーの存在は、危ういと思ったとしても、反抗しないからそのまま続くんだろうな、いざ反抗しようと思った時に、反抗さえ許されない環境になってしまうことへの恐怖も。今、私たちは体制に反抗できる社会にいることができているのかな、ということを考えさせられました。
中高生の時に、こういう本をすすめてくれる大人がいるような場所にいたかったなーと思ったり。とても面白かったです。
(5)鹿の王シリーズ(上橋菜穂子)
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コロナ前に読んでいて、ちょうど2020年にアニメ映画をやると予告されていて楽しみにしていたところにコロナ!奇しくもこのお話は、原因不明の病を巡る物語。病との向き合い方、医学の考え方について、様々な人の立場のことについて思索を巡ることになり、このご時世にこそ読みたい本になってしまいました。
全部図書館で借りていたけれど、映画を見る前に全巻揃えて買っちゃおうかな。
以上、コロナ禍で読みながら、(読み直しながら)以前とは違う感想を色々考えさせられた本のリストでした。
おやすみなさい。